オプションの基本

 
  オプション取引では一定期間内に相場がどのように動くか予測しながら、決められた価格で対象の商品(原資産)を売ったり買ったりする権利を売買します。その対象商品としては株式、通貨、債券などが対象となっています。
その、買う(売る)権利、決められた価格、期間にはそれぞれ呼名があります。

 オプションの基本用語

約束した数量の商品を、約束された価格で、あらかじめ決められた期日までに
買う権利、売る権利を売買しますが
「買う権利」を コールオプション (コール) CALL
「売る権利」を プットオプション (プット)PUT
「約束された価格」のことを 権利行使価格 (ストライクプライス)と呼びます。
「予め約束された期日」を限月といい、オプション取引には期限(満期)があります。
オプションが取引される価格をオプション価格(プレミアム)といいます。
  
そして、日経225平均株価を対象としたものが 【日経225オプション】 です。

日経225オプションは日経225平均指数を原資産としたオプションで、大阪証券取引所に上場され、一般の個人投資家が取引できる国内で唯一のオプションです。
日経225オプション取引は直近の3月、6月、9月、12月の5限月と,それ以外の直近3か月の合計8つの限月が並行して行われます 1つの限月取引が終了したら、その翌日から新しい限月の取引がスタートします。
そして常に8つの限月取引が行われています。

各限月取引の期間
限月
期間
3,6,9,12限月
1年3ヶ月
1,4,7,10限月
5ヶ月
2,5,8,11限月
4ヶ月

 売買の基本

オプションの売買は、コールの買いと売り、プットの買いと売りの基本的には4種類になります。
相場が上昇すると予測するときにはコールを買うか、プットの売り。相場は下降と予測するときにはコールの売りかプットの買いが基本となります。

 相場の上昇を予測 ⇒ コールの買い、プットの売り
 相場の下落を予測 ⇒ プットの買い、コールの売り

コールの買い

相場が先行き上がると予測するときに買うのがコールです。
日経平均株価が現在1万7,400円で、相場は上昇と予測したとします。そのときに行使価格1万7,500円のコールを450円で買ったとします。
(行使価格も500円きざみで数種類あり、また限月も違いますので、どのコールがよいのかはオプションの価格形成の仕組みで詳しく説明します)
予測通りに相場が上昇し、日経平均株価が行使価格に買ったオプション料の450円を加えた1万7,950円を上回ってきたときに権利行使をします。
それが1万8,300円であれば、オプションの儲けは350円になります。


  日経平均−行使価格 =権利行使による利益
 18,300円−17,500円=+800円
 権利行使による利益−オプション料=実質利益
 800円−450円=+350円

したがって、日経平均株価が高くなればなるほど利益は大きくなります。

反対に日経平均株価が権利行使価格を下回ってしまうと利益は出ませんが、どんなに相場が崩れても権利を放棄すればよく、損失は支払ったオプション料の450円に限定されます。
その損益図は右の参考図をクリックすると表示されます。
説明文の数値とは異なりますが、実際の損益を示したグラフです。
 

これまでの損益は、権利を行使するか放棄するかまた満期での損益計算です。
しかし、日経平均の動きに連れてオプション価格も日々動いています。日経平均株価が300円上がれば450円で買ったコールは600円に、また日経平均が500円上がればコールは700円にもなり短期間に利益がでます。逆に 相場が下がればオプション価格も下がりますが、いつでも 損切りができます。  
したがって最大損失がオプション料の450円と考えておけばよいでしょう。
日経平均株価の動きに連動して動くオプション価格の動きと、損益を表すグラフをオプション・アナライザーで確認しておきましょう。

コールの売り

相場は下と見るときには、コ−ルを売ります。日経平均が行使価格の1万7,500円を上回らない場合には買い手が権利を放棄しますので、受け取ったオプション料の450円は買い戻す必要がありませんのでそっくり利益になります。
しかし予想に反して日経平均が上昇してしまうと、買い手は権利を行使してしまうので損失になってしまいます。その損失の幅は行使価格を上回った額ですが、最初に受け取った450円を差し引いたものが実質の損失になります。したがって損益の分岐点は行使価格の1万7,500円に450円を加えた1万7,950円で、それ以上になると損失幅は広がっていきます。
日経平均が1万8,500円では1,000円の損失になり、そこから受け取った450円を差し引いた550円が実際の損失になります。
コールの買いと同じように、日経平均株価の動きに連動 して動くオプション価格の動きと損益を表すグラフをご覧下さい。
 

プットの買い

コールとは逆の動きになるので、相場が下がると予測したときにはプットを買うことになります。行使価格1万7,000円のプット、350円でみてみましょう。
損益は図のようになりますが、相場下降で利益が発生して相場が上昇したときに損失になるのでコールと全く逆の形になります。
日経平均が、行使価格の1万7,000円からオプション価格350円を差し引いた1万6,650円を下回れば権利を行使することで利益がでます。日経平均が下がれば下がるほど利益は膨らみます。  
相場上昇では損失になりますが、権利を放棄することによって損失 は最初に支払ったオプション料の350円に限定することができます。
日々の動きによる売買では、参考図のような損益曲線になります。
 

プットの売り
相場が上がると予測する時には、プットの売りを利用します。
行使価格1万7,000円のプットを350円で売った場合の損益グラフをご覧下さい。
コールの売りとは方向が正反対になります。行使価格の1万7,000円上回っていれば、プットの買い手は権利放棄するので受け取ったオプション料の350円が利益になります。
 

日経平均が下がって行使価格の1万7,000円から、プットの価格350円を差し引いた損益分岐点の1万6,650円以下にならなければ利益になります。当然、分岐点の1万6,650円より安くなるほど損失は膨らみます。
そして、日々の動きによる売買ではどのような損益になるのでしょうか?
 

まとめ
                                  
オプションの4種類の基本売買をまとめてみます。
@相場上昇の予測のときは、コールの買いか、プットの売りを利用する。
A弱気のときには、下落して利益の発生するコールの売りかプットの買い。
Bオプションの買い手の損失は、最初に払ったオプション料以上にはならない。
そして相場が買い手に有利に動けば利益は増大する。
Cオプションの売り手の利益は、受け取ったオプション料以上にはならない。
そして売り手に不利な動きになると損失には限度がない。

買い手に有利な相場とは
買い手に不利な相場とは
コールの買い ⇒ 上昇相場
コールの買い ⇒ 下落相場
プットの買い  ⇒ 下落相場
プットの買い  ⇒ 上昇相場

売り手に有利な相場とは
売り手に不利な相場とは
コールの売り ⇒ 下落相場
コールの売り ⇒ 上昇相場 
プットの売り  ⇒ 上昇相場
プットの売り  ⇒ 下落相場

オプションの買いならリスクが限定で利益を上げられるのに、
どうしてリスクが無限なのに利益が限定されてしまう不利な売りをするのか…

 疑問もあるでしょう。
売り手には最初にオプション料が受け取れるという利点があります。また、買いは相場が有利に動かない限り利益は出ませんが、株価が動かなくてもオプション価格は日々下がるという特質があり、売り値より安く買い戻しをして利益をだすチャンスもあるのです。
(オプションの価格形成の仕組み参照)

 オプション取引の権利行使には二つのタイプがあります。
 アメリカンタイプ    満期までの間、何時でも権利行使ができる
 ヨーロピアンタイプ  満期を迎えないと権利行使はできない
 大証の日経平均225オプション取引はヨーロピアンタイプを採用して
 おりますので、満期にならないと権利の行使はできません。

日経225オプションの取引においては、満期の清算が決まりになっています。
これまでは権利行使を実行した場合の利益について説明してきましたが、オプション取引での損益発生を分かりやすくするための便宜上のものとご理解下さい。
   (オプション価格形成の欄で詳しく説明します)

 
 

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